インテリアコーディネーターのKanaです。
床材には、フローリング、クッションフロア、フロアタイル、タイル、石、カーペットの6種類を紹介していきます。
- フローリング:木材の床材で、住宅では最も一般的な床材です。
無垢フローリングと複合フローリングがあります。 - クッションフロア:塩化ビニル樹脂を主成分とする床材で、塩ビシート。
- フロアタイル:塩化ビニル樹脂を主原料に、可塑剤や安定剤、顔料などを加えて形成されたタイル状の床材の総称です。
- タイル:粘土などの主原料に、高温で焼いた陶器でできた床材で、土などを板状に焼いたものをいいます。
- 石:大理石や御影石などがある高級な床材!
- カーペット:床の敷物の全般を表す総称です。
今回は、『【床材の種類】フローリング・クッションフロア・タイル・石・カーペットについて』と題して紹介します。
床材の種類
フローリング

木材の床材で、住宅では最も一般的な床材です。
美しい木目があり、質感もよく、自然の風合いが魅力!
温かみがあり、心地の良い落ち着いた雰囲気になります。
床材に使われる広葉樹は、ナラ、メープル、チーク、ウォールナット、チェリーなどがあります。
材質は、硬くて重厚感のあるものがあり、反りや縮みが比較的少ないものがある。
床材に使われる針葉樹は、パイン、スギ、ヒノキなどがあります。
材質は、柔らかく肌ざわりがよいです。
樹種のカラーを分けると・・・。
無垢フローリング

無垢フローリングは、単層フローリングともいいます。
無垢材を使用したもので、丸太から切り出した天然木1本を自然なままの状態で使用された木材になります。
一枚板のものの無垢材を加工してそのまま用いています。
無垢材ならではの厚みがあり、木の温もりがあります。
また、木材の中では、高級感や重厚感が感じられます。
調湿効果があり、表面を削ることで削り直しも可能です。
ちなみに、集成材は、薄くスライスした木板を接着剤で張り合わせた木材をいいます。
床材の張り方として、フローリングには、長尺と乱尺に分かれています。
また、パーケットもあります。
長尺は、長さが1800㎜程度のものです。
乱尺は、600~900㎜程度のものを混ぜ合わせるものがあります。
パーケットは、短冊状の挽板を並べて貼り合わせたものがあります。
木のよさを生かすためには、天然成分の塗料を使うとさらに良いです。
天然成分のみでできているオイルやワックスが使用され、油性ワニス、チークオイル、亜麻仁油などがあります。
無垢フローリングの特徴としては、
- 木材のあたたかな質感と肌触りが良い(自然の味わいがある)
- 風合いが楽しめる
- 木目が美しい
- 湿気を調節する機能がある
- 木の種類によっては、柔らく傷つきやすい
- 温度や湿度の変化による反りや隙間ができることがある(変形する)
- 伸縮、反りや割れが起こる(温度変化によって)
- 強度はある
- 水に弱い
- 適度な弾性がある
- 断熱性に優れている
- 傷がついても修復できる
- 経年変化を楽しめる(経年美化する)
- 施工に手間がかかる
- メンテナンスが必要(ワックスを半年に1回塗るなど)
- 比較的高価(複合フローリングより高価)
複合フローリング

複合フローリングは、複層フローリングや合板フローリングともいいます。
表面材が薄いものだとキズが付きやすいですが、一般的によく使われるフローリングになります。
耐水合板やMDF(虫密度繊維板)を基材として、その上に薄い単板やシートを貼ったものです。
単板には、さまざまな樹脂が使われています。
合板や集成材などの基材の表面に、化粧材を貼り合わせて作られたフローリングです!
簡単にいうと、合板でつくられた基材の表面に薄い天然木を張っています。
挽き板タイプ、突き板タイプ(単板)、シートタイプ(シートフロア)に分けられます。
●挽き板タイプ
天然木をノコギリなどで挽き、2〜3mm程度の厚みに挽き板を表面に貼って仕上げます。
比較的、無垢材としての質感があります。
特徴としては、
- 天然木を楽しめる(無垢フローリングほどではない)
- 表面材に厚みがある
- 足触りがよい
- 反りや隙間ができにくい
●突き板タイプ(単板)
木材を0.3〜1mm程度に薄くスライス下突き板(単板)を基材に貼り合わせて作られます。
天然木化粧合板とも呼ばれています。
塗装に富んでいて、木目を活かしたものも多いです。
また、カラーバリエーションもあります。
特徴としては、
- ある程度、天然木を楽しめる(無垢フローリング、挽き板ほどではない)
- ある程度、足触りがよい
- 傷がつきやすい
- 日焼けする
- 経年変化する
●シートタイプ(シートフロア)
木目の柄などを印刷したものです。
紙、オレフィンなどの樹脂に木目の柄のプリントをしたシートを、基材に貼り合わせて作られます。
上部のものと決定的に異なるのは、天然木は使用されない点ですが、現在技術の発展によって本物の木を再現しているものも存在します。
木以外のものもシートタイプは多く存在します。
特徴としては、
- 傷がつきにくい
- 日焼けしない
- 伸縮しない
- 木の質感がない
- 見た目が劣る(他のフローリングより)
- 足触りに劣る(他のフローリングより)
- 経年変化が起こりにくい
- 安価
複合フローリングは、無垢のフローリングと比べて安いものが多いですが、最近では、高級感のあるものや安価な無垢フローリングが輸入されたりなど製品のコストの差が激しいです。
複合フローリングは、合板の上に薄い天然木(突き板)を張ったものです。
複合フローリング全体としての特徴としては、
- 種類が豊富
- 床暖房対応のものもある
- 湿度変化による反りやゆるみ、隙間ができにくい
- 木材の収縮ができにくい
- 伸縮性の変形が生じにくい
- 踏み心地が硬い
- 木の自然な質感は味わえない
- 木目が美しいものがある
- 強度がある(クッションフロアと比べて)
- 製品によって、機能が良いものがある
- メンテナンスがしづらい(補修が困難)
- 施工が容易
- 比較的高価(無垢フローリングよりは安価)
木材の種類や塗装などについて知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!!
クッションフロア

塩化ビニル樹脂を主成分とする床材で、塩ビシート。
裏打ち材として不織布かビニル層、中間層に発泡層と印刷柄、そして表面材に透明なビニルを積層したものをクッションフロアと呼んでいます。
簡単にいうと、塩ビシート状の床材で、表面には、木目、石目調また、タイルなどの柄がプリントされています。
凹凸があるものもあります。
シート状なので、継ぎ目が少ない床材を作ることができます。
ちなみに、裏面には、不織布で仕上げられているものが多いです!
大きさは、厚さ1.8mm〜3.5mm程度のシート状になっています。
住宅用は、1.8mm、2.0mmなんかが一般的ですね♪

水回りに最適で、キッチン、洗面・脱衣所、トイレなどによく利用されます。
耐薬品性、耐摩耗性、耐水性に優れています。
また、住宅、店舗、公共施設など幅広いところでつかわれています。
同じ塩ビシートのもので、店舗や公共施設などでは、中間に発泡層のないタイプの長尺ビニル床シートが使われたりします。
これは、耐久性に優れていて、厚みがあるため丈夫です。
クッションフロアの特徴としては、
- クッション性があり歩行感が良い
- 弾力性がある
- 意匠性に富んでいる
- 種類が豊富
- 機能性が高い
- 防水性・防汚性が高い
- 熱に弱い(溶けることがある)
- 通気性が微妙
- 質感が微妙(塩化ビニル樹脂なので)
- 物を置くと凹んで、痕が残る
- 耐久性がない(質感が柔らかいので劣化する)
- お手入れが簡単(メンテナンスができる)
- 比較的安価
フロアタイル

塩化ビニル樹脂を主原料に、可塑剤や安定剤、顔料などを加えて形成されたタイル状の床材の総称です。
塩ビ素材のタイルのことで、木目、石目のものなどがあります。
ポリ塩化ビニルのタイルは、塩ビタイルといわれています。
ポリ塩化ビニル製のものがありますが、他にもセラミック製のものなどもあります。
●ポリ塩化ビニル製
合成樹脂でできていて、適度な硬さがある。耐久性もある。安価。
●セラミック製
セラミックをはじめ、磁器質、天然石、ガラスなどの素材で作られています。デザイン性がある。
フロアタイルの特徴としては、
- 強度がある(クッションフロアよりも)
- 質感がリアルで良い(クッションフロアよりも)
- 種類が豊富(色や柄がある)
- 柔らかさはない(クッション性がない)
- 防水性・防汚性がある
- 耐摩耗性、耐水性、耐酸性、耐油性がある
- 熱に弱い
- 防音性がない
- 耐久性がある
- 傷に強く、土足でも良い
- 施工・メンテナンスが容易
- 比較的安価(クッションフロアよりは高価)
タイル

粘土などの主原料に、高温で焼いた陶器でできた床材で、土などを板状に焼いたものをいいます。
玄関、浴室、洗面室、トイレなどによく使用されます。
タイルの種類としては、焼成温度によって分けられ、さらに表面にガラス質の釉薬の有無でも決まる!
吸水率によって、磁器質タイル、せっ器質タイル、陶器質タイルに分類されます。
●磁器質タイル
Ⅰ類とよばれるタイルです。
焼成温度が高温の1,300℃前後で焼いたもので、吸水率は1%以下のタイルをいいます。
特徴としては、
- 屋外用によく使われます(厚めのタイル)
- 耐候性、耐摩耗性、耐衝撃性に優れている
- 吸水性が低い(水回りに使える)
- 割れにくい。(凍結によるひび割れには注意)
- 変形しにくい
- 汚れにくい
- 耐久性がある
- 綿密な素地で硬い
- 金属のような澄んだ音がする
外装、内装、床に用いられる。
●せっ器質タイル
Ⅱ類とよばれるタイルです。
焼成温度が高温の1,250℃前後で焼いたもので、吸水率は5%以下のタイルをいいます。
特徴としては、
- 吸水性が少ない(磁器質よりはある)
- 耐候性に優れている
- 素地が硬い
外装、床、内装に適している。
●陶器質タイル
Ⅲ類とよばれるタイルです。
焼成温度が高温の1,100℃前後で焼いたもので、吸水率は22%以下のタイルをいいます。
特徴としては、
- 吸水性が高い
- 多孔質
- 強度は低い
- 叩くと濁った音がする
内装に適しています。
釉薬の有無で、施釉タイル、無釉タイルに分けられる!
●施釉タイル
表面に釉薬をかけて焼成したタイルをいいます。
釉薬の色によってタイルの色が変わります。
タイルの表面に光沢をだしたり、表面を美しくします。
メンテナンスは容易です。
●無釉タイル
表面に釉薬をかけずに素地のままのタイルをいいます。
タイルの表面が素地の本来の素朴さがあります。
施釉タイルに比べて滑りにくい。また、摩耗して色の変化の心配をいりません!
床タイルには、磁器質タイル、せっ器タイルがよく使われる!
石

大理石や御影石などがある高級な床材!
石は、天然石と人造石に大別されます。
天然石は、人工的に合成されたもの以外の鉱物や岩石の総称です。
人造石は、人工的に合成されたもので模造石のこと。
天然石には、火成岩、堆積岩、変成岩に分類されています。
・火成岩:花崗岩(御影石)、安山岩など
・堆積岩:石灰岩、砂岩、凝灰岩、粘板岩など
・変成岩:大理石、蛇紋岩など
人造石には、テラゾー、擬石があります。
ここでは、大理石、御影石のみ紹介!
ほかの石材について知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!!
●大理石

大理石は、結晶質石灰のこと。
また、装飾性に富む石材の総称として用いられます。
石灰岩が地殻の変動やマグマの熱によって変成作用を受けて再結晶火した変成岩の一種で、鉱物学的には「結晶質石灰岩」と呼ばれています。
結晶質石灰岩を一般として、トラバーチン(加工によって堆積岩から大理石に)、蛇紋岩なども大理石に含まれます。
特徴としては、
- 酸に弱い
- アルカリに弱い
- 加工がしやすい
- マーブル模様がある
- 色の種類が多い
●御影石

御影石は、花崗岩、変成岩類も含まれます。
皆さんのイメージするお墓の墓石ですが、美しいものも多いです。
特徴としては、
- 耐久性がよい(強度がある)
- 硬くて重い
- 加工費用が高い
- 耐水性がよい
- 耐摩耗性に優れている
- 耐薬品性がある
- 色合いが美しい
- 風化に強い
- 耐火性に劣る
- 磨くと光沢がでる
石材についてさらに知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!!
カーペット

カーペットは、床の敷物の全般を表す総称です。
絨毯とも呼ばれますね♪
カーペットは、素材、パイルタイプ、カラーなどのデザインの種類が豊富です。
カーペットの素材には、ウール、シルク、コットンなどの天然繊維とレーヨン、ナイロン、アクリル、ポリエステルなどの化学繊維がある。
パイルには、カットパイル、ループパイプ、カット&ループパイプがある。
特徴としては、
- 断熱性がある
- 防音性がある
- クッション性がある(足腰の負担が少ない)
- 種類が多い
- 肌触りが良い
- 照り返しが少ない
- 高級感がある
まとめ
今回は、『【床材の種類】フローリング・クッションフロア・タイル・石・カーペットについて』と題して紹介しました!
- フローリング:木材の床材で、住宅では最も一般的な床材です。
- 無垢フローリングと複合フローリングがあります。
- クッションフロア:塩化ビニル樹脂を主成分とする床材で、塩ビシート。
- フロアタイル:塩化ビニル樹脂を主原料に、可塑剤や安定剤、顔料などを加えて形成されたタイル状の床材の総称です。
- タイル:粘土などの主原料に、高温で焼いた陶器でできた床材で、土などを板状に焼いたものをいいます。
- 石:大理石や御影石などがある高級な床材!
- カーペット:床の敷物の全般を表す総称です。
今回紹介しませんが、日本の住宅に欠かせなかった畳、足腰に負担の少ないコルクタイルがあります。
他にも、あまり住宅では聞きませんがモルタル、コンクリートなんかも床材にはあります。
フロアタイルのものなんかだと取り入れやすいかもしれませんね♪
以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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