イスの基本構造について!構造部材・張り工法・張り材を紹介します!!




家具

イスがどのような部材を使っているのか構造の中について紹介していきます。

張り地なのでどんな素材を使っているのかもかんたんに解説していきます。

今回は、『イスの基本構造について!構造部材・張り工法・張り材を紹介します!!』と題して紹介します。



イスの基本構造

構成部材

イスの基本的な構造は、人体に接する座、背、肘、脚部からなり、目的や用途に応じて張り加工が施されます。

●座は、座枠を組んだ上か、合板にクッション材を敷いた上に張り加工をすることが多いです。張り加工を行わない場合は、矧ぎ合わせた成形合板や木材を削り出して座面をつくったり、キャンバス、皮革、籐などシート状のものを座にすることもあります。

●背は、後脚上部と笠木、背貫、背束などからなります。張り加工を行わないイスは、これらを背もたれにします。張り加工を行なう背は、座と同様に背枠を組むか合板などを使用します。

●肘は、肘掛けと束からなります。前脚を上に伸ばして束とする場合と、単独の束を座枠の上に立てる場合があります。

●脚は、前脚、後脚、幕板、貫からなります。木製の場合は、ほぞ差しやダボによって接合します。貫は強度を高めたり、足掛けに用いられます。

イスの張り加工

イスの張りとは、座や背に詰め物をしてイスの一部分あるいは全体を上張りで覆い、デザインや用途に合わせて形づくる加工方法であります。

張り加工は、イスの快適性を高めるため、座や背にクッション材を施し、布や皮革で覆う加工です!意匠性にも関わりがあります。

薄張り・厚張り・あおり張り・カバーリングシステム張りの4種類に大別されます。

薄張り

薄張りは、一般にクッションの厚みが20㎜程度のものをいいます。工法には、皿張りや張り込みなどがあります。薄張りの場合には、衝撃を吸収する工夫が必要です。

ちなみに、皿張りは、イスの張り加工のひとつです。薄く張ったパーツ(座面や背面)を取り付けます。

張り込みは、張り材を座枠に巻き付けるイスの張り加工になります。

厚張り

厚張りは、クッションの厚みが50㎝以上のものをいいます。衝撃吸収材やクッション材の選択の幅が広いため、用途に応じて張り方を変えることができます。

例えば、座り心地が柔らかでルーズ感のある張り方もできるし、硬めの座り心地でシャープな張り方もできますよ。

リビング用のイスや高級なイスの張りに多いのが特徴です♪

あおり張り

あおり張りは、イスの座枠の上に小巻きのスプリングを取り付けて二重張りにする方法をいいます。

イスの前台輪の上、笠木の正面、肘掛け板の上などに、巻数の少ないバネを取り付けることによって、着席時当たりを柔らかくすることを目的とした張り方になります。

最もクッション性が高く、ソファや安楽イスに用いられます。

比較的高級なイスに用いられる技法で、スプリングの上をヘッシャンクロスで覆いその上にクッション材を被せ、上張り仕上げをします。

カバーリングシステム張り

カバーリングシステム張りは、本体から上張りを着脱しやすいようにファスナーなどで固定し、加工する方法をいいます。

上張り(カバー)の取替えが容易です!

張り材

イスの座面などに施す張り加工の材料は、上張り材、クッション材、衝撃吸収材の3つに大別されます。

上張り材

●繊維織物は、イスの張り用として、平織の緞子織、ゴブラン織などがあります。その他、パイル織、編物なども用いります。

●天然皮革は。主に牛革を用いります。吸湿性、耐熱性、弾力性、染色性に優れています。用途に応じて、なめし加工や染色加工が施されます!

ちなみに、なめし加工は、製革工程で動物の皮が腐敗したり固くなることを防いでくれます。また、皮を柔軟にし、耐久性をもたせるために加工します。

さらに、なめしにはクロームなめしとタンニンなめしがあります。クロームなめしの革はタンニンなめしに比べて、軽くて丈夫です!!柔軟で伸びが大きい特徴があります。

●合成皮革は、塩化ビニルを発砲されて基布に付着させたビニルレザーや表面にポリアミド樹脂やポリウレタン樹脂を塗布したものがあります!

クッション材

●ポリウレタンフォームは、軽くて弾力性に富んでいます。加工性にも優れています。代表的なクッション材になります。用途に応じた比重や硬度のものを選びます!

●合成繊維綿や綿は、当たりがソフトでふっくらと見える綿や綿の代替えのポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維綿が多く使われています。

●パームロックは、ヤシの実の繊維を合成ゴムなどで固定したものです。耐久性が必要なイスに使われます。

●ヘアーロックは、動物の毛にラテックスを混入し乾燥流化させたものです!

衝撃吸収材

●セットスプリングは、らせん状に巻いた複数のコイルスプリングを鋼線にセットしたものです。吸収する衝撃の量が大きいスプリングをヘッシャンクロスで覆ってから、充填物を載せて上張りします。

ちなみに、ヘッシャンクロスは、黄麻の平織物です!イスの張りの下地として用いります。

●エラストベルト(ウェビング)は、特殊な糸の繊維にゴムを浸透させた帯状のものです。ポリプロピレンテープも使われます。

●スネークスプリングは、形状がヘビに似た波型の平たいスプリングです!簡易な薄張りの衝撃吸収材として使われます。

●力布は、イスの裏側など、力のかかる箇所の補強のために裏から当てる布です。

まとめ

今回は、『イスの基本構造について!構造部材・張り工法・張り材を紹介します!!』と題して紹介しました。

イスの基本的な構造は、人体に接する座、背、肘、脚部からなり、目的や用途に応じて張り加工が施されます。

イスの張りとは、座や背に詰め物をしてイスの一部分あるいは全体を上張りで覆い、デザインや用途に合わせて形づくる加工方法であります。薄張り・厚張り・あおり張り・カバーリングシステム張りの4種類に大別されます。

イスの座面などに施す張り加工の材料は、上張り材、クッション材、衝撃吸収材の3つに大別されます。

以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました