統一(ユニティ)と変化(バラエティ)、調和(ハーモニー)、均衡(バランス)、律動(リズム)についてインテリアにかかわっているので覚えておいて損はないですよ!
比例(プロポーション)は、美しさの基本ともいえます。黄金比、白銀比(√2長方形)、木割など一般的なものを解説します。
今回は、『造形美の原理としくみ【統一・変化・調和・均衡・律動】比例についての黄金比・白銀比』と題して紹介します。
造形美の原理
美しさに対する感性は主観的なものがあるが、美術や建築などの造形を美しく見せるテクニックを理解することで、昔から美しいとされている造形美に近づく表現をすることができます。
統一と変化
造形美の基本となるのが、統一(ユニティ)の原理です!
統一とは、全体として一定の秩序を感じさせる調和のことをいいます。
また、部分的に一定の変化を付けることを変化(バラエティ)といいます。
これは、、単なる無秩序とは異なります!統一感が強すぎると見え方が単調になるが、変化の要素を加えることで、雰囲気を和らげる効果があります。
ちなみに、ある一つの特定な要素が全体を支配する役割を果たす場合が多く、これを支配(ドミナンス)と呼んでいます。
調和(ハーモニー)
物の全体と部分、部分と部分などの間に矛盾や対立がなく成立していることを調和(ハーモニー)といいます。
全体的な統一美や統一感をいいます。形、色、テクスチュアなど類似と対比によりお互いに融合し合うことをいいます。
調和には、類似調和(シミラリティ)と対比調和(コントラスト)があります!
類似調和は、同じ要素を組み合わせて調和をとるので、落ち着きや安定感、やさしさをもたらしてくれます。
個々の要素を組み合わせたとき、互いに似通ったことで起こる調和のことをいいます。
一方で、対比調和は、正反対の要素を組み合わせるので、力強く、個性的で刺激的な雰囲気をつくる効果があります。
大小、明暗など反対の要素を組み合わせて調和を図ることをいいます。
なお、調和してるとは感じられない組み合わせの状態は、不調和(ディスハーモニー)といわれています。
均衡(バランス)
造形では、形や色の釣合いがとれている状態を均衡(バランス)といいます。釣合いがとれていないことを不均衡(アンバランス)といいます。
対称(シンメトリー)が均衡の考え方として代表的です。左右対称の形状にすることで、静止感や安定感を生みます!また、対象になっていない状態を非対称(アシンメトリー)といいます。
西洋の建築やインテリアにおいて、ギリシャやローマ、ゴシック、ルネッサンスなどの時代は対称の表現が主でした。また、バロックやロココの時代には非対称の表現が多く見られました。
律動(リズム)
連続した形や色の変化を律動(リズム)といいます。
代表的なものに、リペティション(反復)、グラデーション(階調)があります!
リペティション(反復)は、同じ形や色などの繰り返しで、秩序感、連続感、躍動感があります。
簡単にいうと、同じスタイルのものを、全体を通して繰り返す法則のことです。
整然としている印象を与えることができますね♪
グラデーション(階調)は、段階的な変化をつけるもので、反復よりさらに動的で流動感があります。
簡単にいうと、色の濃淡の変化のことですよ♪色や形を少しずつ変化させていく方法です!
比例(プロポーション)
全体と部分、部分と部分の美しく感じる数量関係を比例(プロポーション)といいます。
代表的な例として、黄金比、白銀比(√2長方形)、木割などがあげられます。
黄金比
黄金比は最も美しい比率といわれています。縦と横の比率が最も均斉のとれた長方形の短辺と長辺の比です!
ある線を2分したときに、小さい部分と大きい部分と全体との比に等しくなるような分割を黄金分割といいます。ゴールデン・セクションともいいます。
そして、比を黄金比と呼びます!
人間が潜在的に美しいと感じる安定した比率は「1:≒1.618」です。
これを用いた例として有名な建築物は、ギリシャのパルテノン神殿や日本の桂離宮などがあります。
美術品においてはミロのヴィーナスなどが代表的ですね♪
黄金比長方形から短辺を1とする正方形を引いた長方形もまた黄金比長方形になります。
白銀比(√2長方形)
白銀比は、黄金比と同様に美しいといわれている比率です。日本では、古くから美しい比とされ、紙の寸法などにも採用されています。
長方形の短辺を1として、長辺√2、√3、√5などの無理数にした長方形をルート長方形といいます。
長方形の短辺を1、長辺を√2とした長方形で、比率は約「1:≒1.414」となります!
これは、わたしたちが普段使用している紙の規格(JIS規格A判・B判)にも用いられています。
紙の短辺を合わせるように折っても、縦横の比率が変わらない点が特徴です!
また、法隆寺五重塔の平面図においても、白銀比が用いられています。
別名で大和比ともいいます。日本の伝統的な建築においても用いられていますよ♪
その他の比例として
その他の比例としては、整理比と級数比があります。
・整理比は、1:2:3・・・、または1:2:4:8・・・のような整数比は、わかりやすい上に、量産や互換性、規格化などを重視する工業生産の条件に合致し、実用的です!
・級数比は、1:3:5:7・・・のような等差級数や、1:2:4:8・・・のような等比級数など、級数関係によって比例の美を求めるものがあります。
また、1:2:3:5:8:13・・・のように、それぞれの項が前2項の和に等しくなるような相加級数による比例もあります。この階級は、フィボナッチ級数と呼ばれ、2項の比は限りなく黄金比に収束していきます。
木割
日本において木造建築では、柱の寸法を基準にして造作部材の寸法を比例によって決めていた。これを木割といいます。
書院造では、床柱の見付け(柱の横幅)を基準として、長押や落掛などの部材の寸法を決めるものでした!
各寸法は、床柱の見付けの何割という計算で決まります。
まとめ
今回は、『造形美の原理としくみ【統一・変化・調和・均衡・律動】比例についての黄金比・白銀比』と題して紹介しました。
造形美の原理は、美しさに対する感性は主観的なものがあるが、美術や建築などの造形を美しく見せるテクニックを理解することで、昔から美しいとされている造形美に近づく表現をすることができます。
●統一(ユニティ)とは、全体として一定の秩序を感じさせる調和のことをいいます。また、部分的に一定の変化を付けることを変化(バラエティ)といいます。ちなみに、ある一つの特定な要素が全体を支配する役割を果たす場合が多く、これを支配(ドミナンス)と呼んでいます。
●物の全体と部分、部分と部分などの間に矛盾や対立がなく成立していることを調和(ハーモニー)といいます。調和には、類似調和(シミラリティ)と対比調和(コントラスト)があります!
●造形では、形や色の釣合いがとれている状態を均衡(バランス)といいます。釣合いがとれていないことを不均衡(アンバランス)といいます。対称(シンメトリー)が均衡の考え方として代表的です。左右対称の形状にすることで、静止感や安定感を生みます!また、対象になっていない状態を非対称(アシンメトリー)といいます。
●連続した形や色の変化を律動(リズム)といいます。代表的なものに、リペティション(反復)、グラデーション(階調)があります!
全体と部分、部分と部分の美しく感じる数量関係を比例(プロポーション)といいます。
●黄金比は最も美しい比率といわれています。縦と横の比率が最も均斉のとれた長方形の短辺と長辺の比です!
●白銀比は、黄金比と同様に美しいといわれている比率です。日本では、古くから美しい比とされ、紙の寸法などにも採用されています。
日本において木造建築では、柱の寸法を基準にして造作部材の寸法を比例によって決めていた。これを木割といいます。
以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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