視覚の機能と性能について恒常視と錯視【錯視図形|矛盾図形・多義図形】反転図形




人間工学

視覚は、人間にとってとても大切な機能をはたしています。

恒常視や錯視には人間の視覚を利用した遊びも感じさせます。錯視図形・反転図形にも楽しさがあるふしぎを感じます。

今回は、『視覚の機能と性能について恒常視と錯視【錯視図形|矛盾図形・多義図形】反転図形』と題して紹介していきます。



視覚の機能と性能

視覚には、さまざまな機能を持っています!そして、性能もあって奥が深い分野なんですよ(o^―^o)ニコ

視野とアイレベルについて

人は、自然な状態でいるときには、視野を水平視軸からやや下方に10~15°程度に向ける傾向があります。

立位では、約10°。座位では、15°下向きです。

頭を動かさない状態のときには、水平視軸から上方へ46~55°、下方へ67~80°、左右は両眼で約200°を視野に収めています。上下は、約130°の範囲です。

細かい作業などで注視する場合の範囲はで見ることを中心視(焦点視)といいます。それ以外に視野範囲で見ることを周辺視(環境視)といいます。

そして、立位と座位には、それぞれ視点の高さのアイレベルが異なるため、物体の見え方も異なってきます!

ちなみに、アイレベルは立位の場合は、身長に0.9を掛けた値が目安となっています。

はっきり見つめるところを注視点、視線が集中するところを焦点(フォーカルポイント)といいます。これは、インテリア計画の上ではこの効果を考慮にいれる必要があります!

視覚がもつ4つの性能について

視覚が物の色や形を認識するためには、見る目、見られる対象、光という3つの要素が必要になってきます。

そして、人間の目には、対象を認識するための4つの性能があります。

・明暗視は、明るさや暗さを判断することです。

・色彩視は、色を識別することをいいます。

・形態視は、形の違いを認識することをいいます。

・運動視は、動きを認識することをいいます。

恒常視

人間は、目に映る視覚としてとらえた物の形を、これまでの知覚や経験に合わせて、必要な情報に変換して正しく修正して判断して認識することを恒常視といいます。

例えば、超高層ビルを見上げた時、先端に向かって次第に細くなって見えているが、私たちはそういう形の建物とは認識しないでいます。

それは、四角い箱状であるという元の形を知っているために正しく判断するのである。

空間の形について

形をつくる作業を造形といいます。

空間の一部を占める物体をポジティブな立体とすると、面によって囲まれた空間はネガティブな立体ということができます。

前者をソリッド(固形)な立体、後者をヴォイド(空洞)な立体ということができます。

私たちの目はソリッドな立体は、外観を捉え、ヴォイドな立体はインテリアを捉えることになります。

錯視と錯視図形について

恒常視の逆で、目にした対象を実際のものとは違った形に捉えてしまうことを錯視といいます。

そして、錯視を起こす図形のことを錯視図形といいます。

錯視図形はさまざまなものがあるので一例だけ紹介します。

●ポッゲンドルフの図形は、縦帯の影響で斜線にある直線がずれて見えます。

●ツェルナーの図形は、方向の異なる斜線の影響で、平行線が平行でないように見えます。

●ミュラー・リアーの図形は、矢印の向きにより、同じ長さの線が異なる長さに見えます。

●オービンソンの図形は、同心円の作用で正方形が湾曲して見えます。

●デルブックの図形は、対比により、同じ大きさの円が異なった大きさに見えることをいいます。大きな円はより大きく、小さな円はより小さく見えます。

●ヘルムホルツの図形は、平行線の方向で正方形の大きさが異なって見えます。

●へフラーの湾曲対比の図形は、対比で同じ円弧が異なって見えます。

錯視を利用した図形には、矛盾図形と多義図形があります。

矛盾図形は、実際にはあり得ない形を表現しています。

例えば、エッシャーの絵があります。滝とか有名ですね。

他にも、ペンローズの三角形は、角材で組んであるように見えるが、実際にはあり得ない組み方をしています。

多義図形は、見方によりざまざまな異なる形に見える絵や図のことです。

例えをあげます。

●シュレーダーの階段は、普通の階段のようにも見え、天井に付いている逆さ階段のようにも見えます。

●マッハの本は、本がこちら側に開いているようにも、向こう側に開いているようにも見えます。

●ネッカーの立方体は、交わっている2本の線のどちらが手前か奥かの判断により、立方体の向きが2通りに解釈できます。

●娘と老婆は、若い娘が向こうに向いているようにも、老婆がうつむいているようにも見えます。

反転図形

形や色を知覚する際に、見る人の性格やそのときの気分によってとらえ方が異なる場合があります。

視覚心理を研究したゲシュタルト心理学で有名なルビンの壺と呼ばれる図形はその代表です。見方によって「壺」に見えたり、「向かい合う顔」に見えたりします。

白い部分を「地」とすると、黒い部分を「図」になります。すると、壺の形が浮かび上がります。逆に、黒い部分を背景にすると、人の顔が浮かびあがります。

このように、地と図が反転して見える図形を反転図形という。

反転図形の条件は、明度が高く、面積の小さいもの。そして、対称形のもので、囲まれているものがあります。また、下部で連続するものが「図」になりやすい部分になります。

まとめ

今回は、『視覚の機能と性能について恒常視と錯視【錯視図形|矛盾図形・多義図形】反転図形』と題して紹介しました。

視野は、人が自然な状態でいるときには、視野を水平視軸からやや下方に10~15°程度に向ける傾向があります。立位では、約10°。座位では、15°下向きです。

頭を動かさない状態のときには、水平視軸から上方へ46~55°、下方へ67~80°、左右は両眼で約200°を視野に収めています。上下は、約130°の範囲です。

人間の目には、対象を認識するための明暗視、色彩視、形態視、運動視の4つの性能があります。

人間は、目に映る視覚としてとらえた物の形を、これまでの知覚や経験に合わせて、必要な情報に変換して正しく修正して判断して認識することを恒常視といいます。

恒常視の逆で、目にした対象を実際のものとは違った形に捉えてしまうことを錯視といいます。そして、錯視を起こす図形のことを錯視図形といいます。

錯視を利用した図形には、矛盾図形と多義図形があります。

反転図形は、形や色を知覚する際に、見る人の性格やそのときの気分によってとらえ方が異なる場合があります。

以上になります。

最後までご覧いただきありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました