インテリアコーディネーターのKanaです。
石材は主に、天然の岩石をいいます。
色や模様、質感などが違っていて、用途に応じてさまざまな岩石が用いられます。
天然石には、火成岩、堆積岩、変成岩に分類されています。
石材は、大理石や御影石(花崗岩)などがよく知らえていますね♪
また、石材の表面仕上の違いによって質感や用途が変わってきます。
本日は、『【石材の種類】大理石・御影石などの特徴|本磨き・ジェットバーナーなど表面仕上げ』と題して紹介します。
石材(火成岩・堆積岩・変成岩・人造石)
石材は、天然石と人造石に大別されます。
天然石は、人工的に合成されたもの以外の鉱物や岩石の総称です。
人造石は、人工的に合成されたもので模造石のこと。
天然石
天然石には、火成岩、堆積岩、変成岩に分類されています。
・火成岩:花崗岩、安山岩など
・堆積岩:石灰岩、砂岩、凝灰岩、粘板岩など
・変成岩:大理石、蛇紋岩など
火成岩は、地中のマグマが冷え固まって結晶化した岩石のことです。
- 花崗岩は、地中深いところで、ゆっくり固まった岩です。
主に、外装によく使用される石材です。
建築の石材として通称、御影石とも言われる。 - 安山岩は、地表近くで急激に冷やされ固まった岩です。
主に、外装に使用することも可能です。
堆積岩は、色々なもの(砂、土、動物などの死骸)が堆積して押し固めてできた岩石のことです。
- 石灰岩は、主に炭酸カルシウムからなる岩石です。
粒の粗い石材で、吸水性があります。
主に、内装材・床材として用いられます。 - 砂岩は、石英、長石などが荒い粒となって水中できた岩石です。
主に、内装材として使用される。 - 凝灰岩は、火山からできた岩石が集まって固まったもの。
主に、外装材として用いられる。 - 粘板岩(ストレート)は、均一で非晶質の板状組織を持っている粘土が沈殿、固化したもの。
主に、外装材として用いられる。
変成岩は、既存の岩石(火成岩、堆積岩など)の地層が熱、圧力を受けて再結晶化した岩石のこと。
- 大理石は、石灰岩系の岩石など装飾性のある石材の総称。
以下の蛇紋岩も含みます。
主に、内装材、家具天板として使用される。 - 蛇紋岩は、濃い緑と白のマーブル模様が入ったもの。
建築の石材としては大理石に含まれる。
人造石
人造石には、テラゾー、擬石があります。
- テラゾーは、大理石などの砕石をモルタルに混入して型にはめ、固めて石状にしたもの。
研き出してしあげたものをいう。
種石:大理石、蛇紋岩 - 擬石(キャストストーン)は、花崗岩などの細かい砕石をコンクリートやモルタルに混ぜて、固めて石状にしたもの。
天然の岩石に似せて作っています。
種石:花崗岩(御影石)、安山岩
他にも、クオーツストーン、樹脂系人造大理石もある。
次に、よく知られている石材を詳しく紹介します。
大理石
大理石は、英語で「marble(マーブル)」と呼ばれています。
光のなかで煌めくというギリシャ語が語源といわれています。
色柄が多種にわたっていて、柄の違いが多いです。
大理石は、結晶質石灰のこと。
また、装飾性に富む石材の総称として用いられます。
大理石は、石灰岩が地殻の変動やマグマの熱によって変成作用を受けて再結晶火した変成岩の一種で、鉱物学的には「結晶質石灰岩」と呼ばれています。
色:白、グレー、黒、レッド、ベージュ、ブラウン、グリーンなど
模様:無地、縞、筋、更紗、蛇紋など
結晶質石灰岩を一般として、トラバーチン(加工によって堆積岩から大理石に)、蛇紋岩なども大理石に含まれます。
特徴は、
- 酸に弱い
- 摩耗に弱い
- アルカリに弱い
- 加工がしやすい
- マーブル模様がある
- 色の種類が多い
主な用途:内壁、床材、家具天板など
主な石の名称は、
白:ビアンコカララ、シベック(旧ユーゴスラビア)
ベージュ:ボテチーノ、ベルリーノキャロ
ピンク:ローズオーロラ
赤:紅波紋
黒:ポルトーロ
緑:深緑
トラバーチン、オニックス
御影石
御影石は、英語で「granite(グラニット)」と呼ばれています。
御影石は、花崗岩、変成岩類も含まれます。
皆さんのイメージするお墓の墓石ですが、美しいものも多いです。
御影石は、黒御影、白御影、赤御影、桜御影などと分類されています。
特徴は、
- 耐久性がよい(強度がある)
- 硬くて重い
- 加工費用が高い
- 耐水性がよい
- 耐摩耗性に優れている
- 耐薬品性がある
- 色合いが美しい
- 風化に強い
- 耐火性に劣る
- 磨くと光沢がでる
主な用途:外壁、内壁、床材、キッチン天板、家具天板など
主な石の名称は、
黒御影:インパラブラック、ベルファースト
白御影:ルナパール、稲田石、真壁石
赤御影:インペリアルレッド
桜御影:ピンクポリーノ、万成石
石灰岩(ライムストーン)
太古の海中で、有孔虫、貝類などの生物の殻が化石化して体積してできたものです。
また、水から炭酸カルシウムそのものが科学的に沈殿したものがある。
特徴は、
- 粗密である(大理石と比べて)
- 風合いがある
- 軟らかい(強度に劣る)
- 加工がしやすい
- 耐水性に劣る
- 吸水性が大きい
- 酸に弱い
- 割れやすい
- 汚れやすい
主な用途:内壁、床材(内装)など
主な石の名称:モカクリーム、ジュライエロー、アンバーライムストーンなど
砂岩(サンドストーン)
水中の砂が堆積し、続成作用によって固結してできた岩石のことです。
砂が固まってできた岩石ですね♪
石の表面に凹凸が出ています。
色は、赤系のもの褐色したものが多い(暖色系)
特徴は、
- 質感がざらざらしている
- 水が染み込む(吸水性がある)
- 汚れがつきやすい(苔もつく)
- 摩耗しやすい
- 酸に強い
- 耐火性に優れている
- やわらかい(大理石、花崗岩よりも)
- 強度がある(安山岩よりはないが凝灰岩よりはある)
- 光沢がない
- 経年変化が楽しめる
主な用途:内壁、床材、甲板材など
主な石の名称:サンドストーンベージュ、サンドストーンレッド、ピエトラドラータ
凝灰岩
火山岩や砂、岩塊片などの火山噴火物が地上や水中に堆積して凝固してできた岩石のことです。
層状や塊状でできる。
大谷石が有名。
特徴は、
- 光沢がない
- 変色する
- 強度が低い(耐久性低い)
- 軟らかいく、軽い(もろい)
- 吸水性が高い
- 耐火性がある(熱に強い)
- 班紋があるものがある
- 風化しやすい
- 経年変化が楽しめる
主な用途:内壁、炉など
主な石の名称:大谷石、十和田石、深岩石
粘板岩
粘板岩は、「ストレート」と呼ばれています。
堆積岩が変成作用を受けた岩石のことです。
均一で非結晶の板状の組織を持っています。
粘土が沈殿して固化することでできる。
色は、黒、赤褐色、緑のものがある。
特徴は、
- 層状に薄くはがれやすい
- 強度がある
- 色調が暗い(黒っぽい)
- 耐候性に優れている
- 光沢がある
- 吸水性が低い
- 吸収率が低い
主な用途:屋根材、床材、壁材(塀)など
主な石の名称:玄昌石、仙台石
石材の表面仕上げ
石材の表面仕上げについて学んでいきましょう。
表面の処理の仕方によって、質感が異なり、表情も大きく変わります!!
ここでは、本磨き仕上げ、水磨き仕上げ、荒磨き仕上げ、割肌仕上げ、ビシャン仕上げ、ノミ切り仕上げ、小叩き仕上げ、ジェットバーナー仕上げの8つの仕上げについて紹介します。
本磨き仕上げ
石材の表面を平滑に研磨する仕上げのことをいいます。
光沢が出て、美しく高級感のある石材になります。
鏡面のような仕上がりで滑りやすいです!!
石の表面をダイヤモンド砥石と呼ばれる切削機で切り出し、研磨機で荒磨き→水磨き→本磨きの順に磨いて仕上げる。
・水磨き(つや消し)
・本磨き(艶あり)
床材として使用する場合には、防滑性を考慮すると水磨きまでの方がよい。
ちなみに、水磨きは、本磨きよりも少し粗く磨かれたものですね♪
荒磨きだと、のこ目を消す程度に研磨したものです。
本磨きは、大理石、花崗岩(御影石)、蛇紋岩、テラゾーに適している仕上げになっています。
水磨きは、上部のもの他に、安山岩、粘板岩にも使えます。
荒磨きは、砂岩に使えます。
割肌仕上げ
原石を人為的に衝撃を加えて割った状態のもので、石を割ったときのような凹凸が目立つ仕上げです。
割ったままの自然な石材としての味わいがある。
割肌仕上げは、花崗岩(御影石)、安山岩、砂岩、粘板岩に適している仕上げになっています。
ビシャン仕上げ
粗く削った石の表面をビシャンハンマーで叩いて凹凸をつける仕上げです。
防滑性に優れています。
ちなみに、ビシャンハンマーは、ピラミット型の刃を群状にした細かい突起の付いたビシャン(金槌)のこと。
ハンマーは、ノミ切り、ビシャン、小叩きなど叩くものの種類によって変わります。
- ノミ切り
- ノミを使って粗く平坦にする仕上げ。
石肌にノミの跡が残り、味わい深い仕上がりになります。
職人によって削られるので変化に富んだ仕上がりになります。
(荒ノミ切り、中ノミ切り、上ノミ切りと3段階に分類されています。)
- ビシャン
- 先に小さな凹凸を持つビシャン(金槌)で叩き、小さな凹凸を平坦さを出す仕上げ。
- 小叩き
- ビシャンで叩いた後、さらに先端がくさび状のハンマーで叩いて、凹凸を細かくした仕上げ。
ノミ切り、ビシャン、小叩きは、花崗岩(御影石)に適している仕上げになります。
小叩きは、花崗岩(御影石)の他に、凝灰岩、擬石にも適しています。
ジェットバーナー仕上げ
ジェットバーナーで、火に弱い性質を利用して、石の表面に1800℃の火炎を当てて、焼き飛ばして仕上げたもの。
冷却水を噴射しながら、加熱用のバーナーで表面を焼きます。
石に含まれている鉱物をはじけさせて、その表面に粗い凹凸をつける仕上げになっています。
自然な岩肌に見える仕上げになります。
主に、滑りやすい屋外の床などに使われます。
ジェットバーナー仕上げは、花崗岩(御影石)に適している仕上げになります。
まとめ
本日は、『【石材の種類】大理石・御影石などの特徴|本磨き・ジェットバーナーなど表面仕上げ』と題して紹介しました。
石材は、天然石と人造石に大別されます。
天然石は、人工的に合成されたもの以外の鉱物や岩石の総称です。
人造石は、人工的に合成されたもので模造石のこと。
天然石には、火成岩、堆積岩、変成岩に分類されています。
・火成岩:花崗岩、安山岩など
・堆積岩:石灰岩、砂岩、凝灰岩、粘板岩など
・変成岩:大理石、蛇紋岩など
人造石には、テラゾー、擬石あります。
石の表面仕上げは、本磨き仕上げ、水磨き仕上げ、荒磨き仕上げ、割肌仕上げ、ビシャン仕上げ、ノミ切り仕上げ、小叩き仕上げ、ジェットバーナー仕上げなどがあります。
それぞれの天然石などにあった仕上げや用途によって表面仕上げは異なります。
以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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